日本シェリング協会/Schelling-Gesellschaft Japan
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日本シェリング協会略史

日本シェリング協会は1992年7月創立された。本誌掲載の「創立の呼びかけ文」にも、「会則」の第2条にも謳われているように、本協会の創立、活動によって、 シェリング研究の向上とそれに関連する諸分野の学際的研究の促進、ならびに研究者間の交流、情報交換等の研究条件の整備、さらには若手研究者の育成が目指されている。
ここで、創立準備期のそれをも含め、本協会のこれまでの活動について、日程順に箇条書きにしたい。(氏名は敬称略、50音順)


1.創立準備期

1991年12月21日
協会創立準備会開催に向けて、有志による打ち合せ会(日本医科大学本館)。

1992年

1月末日
前記打ち合せ会の申し合わせにより、「創立呼びかけ文(案)」作成後、第1回創立準備会開催案内を、創立準備事務局より発起人16名およぴ準備委員10名に発送。
発起人:L・アルムブルスター、大峯顕、柏原啓一、加藤尚武、茅野良男、神林恒道、北村実、上妻精、相良憲一、清水正徳、田丸徳善、中埜肇、西川富雄、新田義弘、藤田健治、渡邊二郎
準備委員:伊坂青司、小田部胤久、日下部吉信、高山守、田村恭一、長島隆、西村清和、藤田正勝、松山壽一、山口和子

2月15日
第1回創立準備会(立命館大学末川記念会館)
議題:(1)経過報告(2)協会の名称および目的(3)呼びかけ文および入会方法の検討(4)創立大会の企画(5)協会の組織運営(6)協会誌の発刊(7)財政および会費(8)その他

3月10日
創立呼びかけ文および入会申込書を、創立準備事務局より約300通発送
※この日以降、創立呼びかけ文、入会申込書、随時発送、宣伝。

4月10日
第2回創立準備会(早稲田大学総合学術情報センター)
議題:(1)経過報告(2)規約の検討(3)創立大会企画の再検討(4)財政(会計報告および初年度活動予算案(5)その他
※この折、発起人の拡大および発起人と準備委員の区別を廃止。これによって、発起人総計33名となる。
前記準備委員以外の新発起人:岩城見一、大橋良介、隈元忠敬、河野眞、境一三、武藤三千夫、森哲郎

4月20日
この日以降、創立呼びかけ文(4月改訂版)、入会申込書を、創立準備事務局より随時発送、宣伝。

6月11日
創立大会案内等創立大会関係文書を、創立準備事務局より入会申込者約120名に発送。

6月20日
第3回創立準備会・発起人会(東京大学学士会館分館)
議題:(1)経過報告(2)創立大会に関する最終打ち合せ(3)会則(原案)の最終決定およぴ組織運営(4)会則細則(選挙および協会誌編集委員会規定)の検討(5)協会誌発刊の企画(前回準備会持ち越し懸案)(6)財政問題の再検討(7)その他

7月4日
第4回創立準備会・最終発起人会(立命館大学アカデメイア立命21)
議題:(1)役員(案)の決定(2)未決定事項(協会欧文名、協会誌名)の決定(3)総会の打ち合せ(4)その他


2.創立総会

1992年7月4日
立命館大学アカデメイア立命21、中野記念ホールにおいて、創立総会が開催された。創立総会における議事、報告および決定事項は下記の通り。

1:議事
(1)議長挨拶(日下部吉信)(2)経過報告(松山壽一)(3)会則承認(高山守)(4)役員承認(渡邊二郎)(5)会長挨拶(西川富雄)(6)開催校歓迎挨拶(開催校総長、大南正瑛) (7)国際シェリング協会挨拶状の紹介(北村実)(8)一般報告・会計報告(松山壽一)(9)次期大会開催校代表挨拶(高山守)

2:経過報告
ここ数年来の研究会活動(ドイツ観念論研究会、自然哲学研究会、シェリング研究会)の成果を踏まえ、総計4回の創立準備会・発起人会の開催を経て、創立総会およぴ創立大会を迎えたことが報告された。

3:役員
創立時のため、発起人会(=創立準備会)が下記役員(任期2年)を推薦し、承認された。
会長:西川富雄

理事:L・アルムブルスター、伊坂青司、岩城見一、大橋良介、大峯顕、小田部胤久、柏原啓一、加藤尚武、日下部吉信、茅野良男、神林恒道、北村実、隈元忠敬、上妻精、河野眞、境一三、相良憲一、清水正徳、 高山守、田丸徳善、田村恭一、長島隆、西川富雄、西村清和、新田義弘、藤田健治、藤田正勝、松山壽一、武藤三千夫、森哲郎、山口和子、渡邊二郎

会計監査:三浦信一郎、森淑仁(うち1名は総会後、会長の指名により決定)

常任幹事:高山守、長島隆、藤田正勝、松山壽一

編集委員:<委員長>神林恒道、<哲学>伊坂青司・田村恭一、<文学>境一三・相良憲一、<美学>小田部胤久・西村清和、<宗教学>岡村康夫・森哲郎

幹事:伊古田理、加國尚志、北澤恒人、黒崎剛、平尾昌宏、古川賢、本庄史明

※なお、事務局は、創立準備事務局を務めた大阪学院大学哲学教室に置かれることについても報告され、承認された。

4:一般報告
(1)創立時における会員数160名であること(2)会則に従い、最低年一回の大会を開催(ただし、シンポジウムの充実を図るため、大会開催日程は2日間とすること)(3)会則に従い、年1回、協会誌『シェリング年報』を刊行すること (4)会則に従い、協会活動を出来る限り学際的なものとすること(哲学、文学、美学、宗教学等の協力を盛んにすること)(5)会則に従い、若手研究者の育成(研究発表の奨励および会費負担の軽減)を心がけること (6)協会活動の活発化のため、会員より種々の企画、御意見を事務局へお寄せ頂くこと
以上これらのことが事務局より報告され、承認された。

5:会計報告
創立時のため、本年度分決算は準備期の支出入を含め会計監査を受けて後、来年度総会の折に提出する旨、事務局より提案があり、承認された。また、事務局より来年度予算案が提示され、承認された。


3.創立大会

1992年7月4日、5日
両日、立命館大学アカデメイア立命21中野記念ホールにおいて、126名の参加者を得て、創立大会が開催された。創立大会における講演、シンポジウム、特別報告、研究発表は下記の通り。

1:創立記念講演 西川富雄(初代会長)「シェリングと私」

2:創立記念シンポジウム「シェリング哲学と現代」
・新田義弘(哲学・東洋大学)「意識と自然−その生ける関わりへの問い」
・高橋義人(文学・京都大学)「ゲーテ形態学とシェリング自然哲学」
・西村清和(美学・埼玉大学)「シェリング美学の近代性−崇高と醜を試薬として」
司会:高山守(哲学・東京大学)、松山壽一(哲学・大阪学院大学)

3:特別報告
藤田正勝(哲学・京都大学)「シェリング哲学の最近の研究動向」
司会:岩城見一(美学・京都大学)

4:研究発表
・菅原潤(哲学・東北大学大学院)「初期シェリングの主体概念」
司会:長島隆(哲学・日本医科大学)
・北澤恒人(哲学・早稲田大学)「哲学の機関としての芸術−前期シェリング哲学における芸術の役割について」
司会 伊坂青司(哲学・神奈川大学)
・伊東多佳子(美学・大阪大学大学院) 「風景への応答−ロマン主義風景画とシェリング自然哲学」
司会:小田部胤久(美学・神戸大学)
・酒田健一(文学・早稲田大学) 「フリードリヒ・シュレーゲルからの接近」
司会 相良憲一(文学・京都大学)


4.創立後の諸活動

1992年7月5日
編集委員会第1回編集会議(立命館大学アカデメイア立命21中野記念ホール)
議題:協会誌『シェリング年報』創刊号掲載内容の協議

同日
第1回理事会(白沙村荘)
議題:(1)第2回大会の日程(2)第2回大会シンポジウムのテーマ(3)『シェリング年報』創刊号掲載内容(4)その他

9月20日
会員連絡を、事務局より各会員へ発送

10月14日〜17日
国際シェリング協会主催のシェリング自由論をテーマとする大会への参加(本協会よりの参加者人名)(講演、発表、討論内容については、本誌掲載の山口報告参照)
※大会初日、シェリング学位取得200年を記念して、シェリングハウス内に新たに開設された記念室落成式において、日本シェリング協会の創立が(国際シェリング協会からの挨拶状に対する本協会よりの返書の朗読等により)披露され、 かつ、大会2日日の協議会席上にて本協会会長のメッセージが伝えられ、協会創立の意義が語られ、いずれも大歓迎を受ける。

11月28日
編集委員会第2回編集会議(京都大学楽友会館)
議題:(1)編集状況の報告(2)刊行費用見積の検討(3)研究発表論文査読用レフェリーの指定(4)出版者広告依頼の分担(5)その他

同日
第2回理事会(同会館)
議題:(1)経過報告および会計報告(2)入会者の承認(3)第2回大会の企画(4)年報編集委員会提案の承認(5)国際シェリング協会会長バウムガルトナー教授来日講演(6)その他(『シェリング著作集』刊行委員会の設置の提案、他)

(『シェリング年報』創刊号より)

1993年3月
国際シェリング協会前会長H・M・バウムガルトナー教授(ボン大学)が来日、東京および京都にて、講演される。うち京都でのシェリング講演の翻訳を本誌に掲載する。

6月26日、27日
両日、東京大学において第2回大会が開催された。

10月14日
ミュンヘン大学にて、H・クリングス教授の「80歳記念会が開催され、その冒頭の国際シェリング協会会長挨拶において、現会長ヤーコプス氏によって国際シェリング協会の沿革と現状が語られ、 その折、氏は日本シェリング協会の創立に言及し、両者を”Schwester-Gesellschaft”と呼び、両者の協力ヘの期待を表明された。

1994年
協会有志による2つの論集『シェリング読本』(法政大学出版局)『シェリングとへ−ゲル』(晃洋書房)が刊行され、同じく有志によるシェリングのテクストのデータベース作成作業も進んでいる(本誌掲載の高山報告参照)。
この他にも、シェリングゼミナール京都の活動(本誌掲載の藤田報告参照)等、シェリングおよぴ関連諸研究の充実にむけて多方面にわたって努力がなされている。

1994年4年1月現在、会月数196名。

(『シェリング年報』第2号より)

1994年〜1995年
3年目を迎えた日本シェリング協会は本年7月2、3日仙台の地東北大学において第3回大会及び総会を開催した。その成果は本誌に掲載されている。現在会員は200名を超え(1995年1月現在)、 この第3回総会において協会では最初の役員選挙を行い新たな陣容で今後の一層の活動を期すことになった。またこの総会では会則についても不分明な部分をはっきりさせ誤解なきようにする改正が初めて行われた。 その改正の趣旨はできるだけ多くの方に会の運営に携わっていただくために、直接選挙によらない役員については期限を明確にするということであった。したがってこの会則の改正に基づいて役員も交替した。事務局も移動した。 今後の更なる発展のための措置である。本号にもカラーグラヴィアが掲載されているが、これは製作費のかなりの部分を神林恒道氏に御寄付いただくことによって可能になっている。
本年10月には予定されていた会員有志による『シェリング読本』が法政大学出版局から刊行された。またこの1995月にはシェリング論集『シェリングとへーゲル』が晃洋書房から刊行される予定であり、 シェリングに関する研究文献の量も協会発足以前と比べても数段の増加を見ている。次年度の年報には創立大会後の研究文献目録を掲載できるように準備されている。

国際的な連携の問題についても、ミュンヘンのシェリング・コミッション、ベルリンのシェリング・フォルシュングスシュテレとの連絡などは引き続き行われている。 1995年の国際的な活動としては10月にシェリング・ファッハターグングがミラノで開催されるが、本協会からは、すでに2名の発表者を国際シェリング協会の方から推薦を依頼され、希望者を公募の上推薦している(松山壽一、山口和子氏)。 この大会と前後して日独シェリング・シンポジウムが予定されているが、今後国際シェリング協会との連携が強まることは予想され、より開放的にシステム化していくことは今後の課題であろう。

(『シェリング年報』第3号より)

1995年〜1996年
7月8日、9日
両日、大阪豊中市にて大阪大学のキャンパスおよび美術館で第4回大会および総会を開催した。今回は初めて1日目と2日日の会場を替え、2日目は神林恒道氏の尽力と美術館の好意で静かな雰囲気の中で無事大会を終えることができた。

さらに国際シェリング協会との関係でも、引き続き連絡をとっている。1996年度の6月のブレーメンでのターグンクの連絡はすでに会員連絡でお知らせしたが、そのほかにも持続的に行われている。 8月(Der Kurs am IUC Dubrovnik、8月26日〜30日)、9月(Die Tagung in Breslau、9月19日〜22日)、10月(Die Tagung in Santiago de Compostela、10月23日〜26日)にもコロキウム、研究会などが行われる。

1996年7月現在、会員数210名弱。

(『シェリング年報』第4号より)

1996年〜1997年
日本シェリング協会は創設5周年を迎え、哲学・文学・美学・宗教学の各分野から集まった200名を越える会員(1997年3月末現在211名)によって、創設以来の趣旨であるシェリング研究を核とした学際的な学会として活発な活動を行っている。

第5回大会および総会は、本年7月13(土)・14(日)の両日、早稲田大学国際会議場にて開催された。主催校の北村実氏の尽力により予定していた大会日程を滞りなく終え、大会の成果が本号に掲載されている。

日本シェリング協会の創設以来、会長の重責を2期4年に渡って務めた西川富雄氏が、会則により今大会を以て会長を降りることになった。今回の役員選挙によって改選された新理事の中から、渡邊二郎氏が新会長として選出され、 新たな役月体制が発足することになった。改選された新役員については、別表を参冊されたい。事務局は日本医科大学から神奈川大学に移転した。

また隔年刊行のシェリング論集は、第2論集として 『シェリングとドイツ・ロマン主義』(伊坂青司・森淑仁編)が準備中である。

「国際シェリング協会」との交流はこの間、役員改選後も引き続き順調に行われている。「日本シェリング協会」会長と事務局代表の連名で、役員の交代と両協会の協力関係の一層の発展を希望する旨の書簡(9月20日付)を送ったが、 それに対して、国際シェリング協会会長W・G・ヤーコプス氏と事務局代表J・ヤンツェン氏の連名で、協力関係の一層の深化と相互交流の強化を希望する旨の返書が寄せられた。すでに西川前会長の在任中に「日本シェリング協会」 会長は同時に「国際シェリング協会」評議員に任命されることになったが、1996年11月11日に開かれた「国際シェリング協会評議会」には、会長の指名によりドイツ滞在中の常務幹事山口和子氏が代理で出席した。

(『シェリング年報』第5号より)

1997年〜1998年
日本シェリング協会第6回総会と大会が、本年7月12日(土)・13日(日)の両日、京都大学で開催された。大会の成果は、本誌に掲載されているとおりである。特別講演では上田閑照氏に、またシンポジウムでは今泉文子氏にゲストとしての労をとっていただいた。

総会では会則第5条と第10条の改正が承認された。改正の趣旨は、第5条では「個人研究発表論文」が「審査を受けるもの」であること、また第10条では「編集委員会」の職務を「会誌の編集及び個人研究発表論文の審査を行う」ことと明記することにある。

会員数は1998年4月末現在、212名。

この間のシェリング協会の出版活動として、大会に合わせて準備してきたシェリング論集第2集『シェリングとドイツ・ロマン主義』(伊坂青司・森淑仁編)を晃洋書房から刊行した。

「国際シェリング協会」との連携も引き続き順調に維持されている。国際シェリング協会からの要請に応えて、渡邊二郎会長が4月24日から27日までブタペストで行われたシェリング国際専門会議 「時間と自由−シェリング、ショーペンハウアー、キルケゴール、ハイデガー」で報告を行い、ドイツ滞在中の山口和子常務幹事も同席した。山口氏はミュンヘン大学で6月16日に行われたシェリング会議「シェリングの自由の哲学」にも出席している。 また10日から12日までウィーンで行われたシンポジウム「カント哲学における建築術と体系」には、主催団体に名を連ねた国際シェリング協会の要請に応えて、事務局から伊坂青司常務幹事が出席した。

また国際シェリング協会からW・G・ヤーコプス会長が1998年の4月21日から5月12日まで来日・滞在するのに合わせて、日本シェリング協会としてコロキウムを東京と京都の2会場でお願いすることにした。講演テーマはそれぞれ、 東京会場が「シェリングとフィヒテ−カントからの出発における二人の哲学者」、京都会場が「シェリング『自由論』における理性と現実性」であった。また事務局長のJ・ヤンツェン氏が学術振興会による招聘で、 11月1日から1カ月の予定で来日・滞在することが決定している。

(『シェリング年報』第6号より)

1998年〜1999年
日本シェリング協会第7回総会が1998年7月11日、同大会が同日および翌日、慶応義塾大学において開催された。また総会および大会第1日目の日程に併せ、理事および会計監査の選挙が行われ、その開票がなされた。 さらに翌日開催された新理事会における互選により渡邊二郎前会長が再任され、引き続き渡邊会長のもと、同理事会において決定された新役員による向こう2年間にわたる当協会の運営が開始されることになった。

なお総会では、会員に関する規定である会則第4条が改正され、「法人会員を置くこと」が明記されることになった。出版社等、個人でない会員より、会費を頂戴し、会の維持、振興に御協力頂いているためである。

国際シェリング協会との交流が最近益々密になっている。たとえば、1998年4月に会長のヤーコプス氏が東京と京都にて来日講演されたが、それに続いて、同年11月ヤンツェン氏が東京と京都にて来日講演された。

国際シェリング協会での最大のイベントはコングレスだが、これまでの開催は主体性の哲学をテーマとした1989年のそれが第1回目、そうして自然哲学(物質概念)をテーマとした昨年10月のそれが第2回目であった。 開催地はいずれもシェリングの生誕地のレオンベルク(この地については本誌前号の扉の解説を参照)。第2回目は特にレオンベルク市制750年祭に併せて開催された。本誌本号に掲載されているヤーコプス氏の「自然と無制約性」はこの折の開会講演である。 むろん国際シェリング協会より渡邊会長に対し、日本シェリング協会の代表としての参加ならびに講演依頼がなされたが、氏が他の国際学会のため渡米されるなど日程調整がつかず、代理として中井章子と松山壽一が参加。また澁谷理江氏が一般参加者として参加。 本誌本号のためにコングレスの報告を寄せて頂いた。国際シェリング協会の役員はほぼ6年を周期として交替しており、ちょうど今回のレオンベルクでのコングレスでヤーコプス会長の任期が終了、この折開催された理事会にてヤンツェン氏が新しく会長に選出された。
これまでにすべての会長が来日講演されたが、むろんこのような講演活動は一方通行ではなく、国際協会からの要請によるヨーロッパ各地での日本側の講演やコロキウム発表や大会講演がなされている (本誌前号の事務局代表伊坂青司氏による協会活動報告ならびに本誌第4号の寄川条路氏による国際学会参加報告参照)。

1999年7月現在、会員総数は219名。

(『シェリング年報』第7号より)

1999年〜2000年
第8回総会(1999年7月10日)と同大会(同年7月10日、11日)、いずれも京都産業大学において、同大学に勤務する森哲郎理事兼常務幹事の奮闘により、総会、大会がスムーズに行われた。

大会以外の活動においても活発な研究活動がなされており、シェリング・ゼミナール等の研究会活動の他に、シェリング論集の第3弾、渡邊二郎・山口和子編『モデルネの翳り』(晃洋書房)が刊行された。 また、松山・ザントキューラー編のドイツ語でのシェリング論集(Natur, Kunst und Geschichte der Freiheit)も近々ドイツにて刊行予定である。

国際シェリング協会との連携も盛んで、『超越論的観念論の体系』刊行200年を記念して、本年10月レオンベルクで開催される大会にて、渡邊二郎会長が招待講演されることになっている。

(『シェリング年報』第8号より)

2000年〜2001年
第9回総会(2000年7月8日)と同大会(同年7月8日、9日)、いずれも神奈川大学において、同大学に勤務される伊坂青司理事の奮闘により、総会、大会がスムーズに行われ(大会での各発表内容は本誌に掲載されているとおりである)、 その上、開催費用の全額が開催校の援助金で賄われることとなった。財政状況厳しい折に、実に有り難いことであった。伊坂氏に改めて御礼申し上げたい。

また、第9回大会に併せて、役員選挙が行われ、かつ大会終了後(9日夕刻)に開催された新理事会にて推薦された方々を含め、本誌末尾に掲載のとおり、24名の新理事が選出され、かつ会計監査として三浦信一郎、森淑仁両氏が選出された。 また同新理事会における互選の結果、会長に西川富雄先生が選出され、さらに常務幹事としては、松山壽一、小田部胤久両名が再任、久保陽一、小林信行氏が新任として加わり、年報編集委員長には、大橋良介氏が就任することになった。 以上のような体制によって、2000年7月以降、2年間の協会運営がなされる。

なお、大会以外の活動においても活発な研究活動がなされており、シェリング・ゼミナール等の研究会活動の他に、昨年10月には、『超越論的観念論の体系』刊行200年を記念した国際シェリング協会の大会(於、レオンベルク)では、 同体系について前会長の渡邊二郎先生が招待講演(Abentvortrag)されたし、松山・ザントキューラー編のドイツ語でのシェリング論集(Natur, Kunst und Geschihite der Freiheit, Peter Lang Verlag)もドイツにて刊行された。

シェリング協会も、今年度で、はや創立10年を迎えることになった。創立10周年を機に、これまでの協会活動、財政等を総点検し、今後の更なる発展のための工夫を凝らすべきことが、理事会で話し合われている。
次回の大会は、2000年7月7日、8日の両日、10周年記念大会として京都の立命館大学で開催される。西川会長、渡邊前会長の特別講演や、協会が哲学、文学、美学、宗教の4分野から構成されていることに鑑み、 分野間の討論(クロス討論)などがなされる予定である。

本協会は乏しい財源の中から、年報を刊行し続けている。また、年報版元の晃洋書房から販売印税を頂戴しているだけでなく、好意ある数々の出版社から広告を掲載頂き、その掲載料をも頂戴している。
晃洋書房をはじめ御協力各出版社に対して厚く御礼申し上げる。会員の方々も会費を滞りなくお支払い下さいますよう、またさらに周りの方々にも入会をお勧め頂きますよう、お願い申し上げる。

協会活動、協会運営に関し、御意見、御要望がおありであれば、何なりと事務局にお寄せ下さいますよう、お願い申し上げる。

(『シェリング年報』第9号より)
Copyright (C) 2003 Schelling-Gesellschaft Japan.